カーポートは、屋根と柱で構成された簡易的な車庫のことを指します。駐車スペースとしてはガレージもありますが、ガレージは屋根と壁と入り口（シャッター）で構成されている建物で、カーポートとは構造も施工の方法も費用も異なります。カーポートにもサイドパネルなどを付けられますが、あくまで簡易的なものになります。

　カーポートの役割は、主に空から落ちてくるものから人や車を守り、駐車スペースをより快適に使えるようにすることです。
大切な車を直射日光から守り、雨ざらしにさせないようにし、鳥のフンなどの汚れから守ります。雨や雪が降っている時でも、濡れることなく楽に乗り降りできます。日光や雨風のダメージや汚れなどから車を守ることは、劣化や色褪せを抑えることにつながるだけでなく、洗車やお手入れの手間を少なくしてくれるという効果もあります。

　基本的にカーポートの設置の仕方は、まず支えとなる柱を固定し、その上で屋根を付けていきます。ガレージとは違い、シンプルに設置することができるため費用が抑えられ、工事期間も短くてすみます。

　柱に関しても左右両側にあるタイプや、片側だけのタイプ、後方だけのタイプなど様々な形があるため、設置したいスペースの広さや状況に合わせて柔軟な対応（タイプ選び）ができます。簡易的であることのメリットは、車の台数やタイプが変わった際にも実感できるでしょう。車が増えた時や、大きな車に替えた時、車を手放す時など、カーポートはガレージに比べて撤去や交換が比較的楽に行えるのも魅力です。

　一方で、簡易的であるが故のデメリットもあります。構造的に決して頑丈な作りではないため、強烈な台風などの影響で屋根が飛んだりする可能性もあります。また、雨や風をしのげるとは言っても、ガレージのようなしっかりとした壁で囲まれているわけではないので、限度があります。いろいろなメリットとデメリットを考え、駐車スペースの広さやその場所の特徴、気候なども踏まえながら、何が相応しいかを検討しましょう。

　　カーポート設置を検討する際、あらかじめ注意しておきたいポイントをまとめました。

●柱の位置を要チェック 車の乗り降りの際、ドアが開く位置に柱がないようにしておきましょう。ドアを開ける場所にちょうど柱があると、常に気をつかうことが意外なストレスになりがちです。基本的には柱は車の前後に設置して、側面は余裕を持っておきましょう。また柱の間隔も、スペース的に可能であれば、車幅に対して広めに確保しておくと快適に利用できます。

●災害時や気候を考慮 前述もしていますが、台風などの強い風が直撃すると、耐久性の低い屋根などは飛んでしまう危険性があります。また大雪に見舞われることのある地域では、倒壊リスクもあります。風圧に対する強度や、積雪の重さに耐えられる強度・構造のタイプを選ぶことが重要です。詳しいことは、プロに相談するのがおすすめです。

●日当たりの変化に注意 カーポートを設置することで、玄関周りなどの日当たりが変わってしまうことがあります。車への直射日光は防ぎたいけれど、そのために明るかった場所まで日当たりが悪くなるのは悩みどころ。影になる箇所は、湿気が溜まったりカビが発生することもあります。ポリカーボネート製を採用したり（透過率が高い）、照明や反射材をつけるなどの対応も合わせて検討し、また設計時から日当たりも考慮しておきましょう。

●地盤の状態は要確認 カーポートを設置する場所の地盤が安定しているか。その確認を怠ると後になって傾きや沈下、倒壊などのリスクが表面化するかもしれません。設置箇所の地盤調査を着実に行い、万が一軟弱であった場合は、セメント材などによる地盤強化、支持層までしっかり杭打ち、ベタ基礎工事などの対処が必要です。また東海地区は、耐震性も重視しておく必要があります。専門家に相談し、不安のないようにしておきましょう。

　カーポートを設置する時、様々な条件をクリアしなければならない場合は少なくありません。前述の注意点以外にも、道路にはみ出さないか（建築基準法による）、日当たりや騒音などでお隣に迷惑がかからないか、またデザインや見た目はわが家に調和しているかなど、悩みの種はいくつもありそうです。豊富な実績を持つ私たちであれば、解決策をご提示できます。まずはお気軽にご相談ください。